著者
藤本 壹裕
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.1443-1451,025, 2001

今日, 日本をはじめ, 海外の多くの製紙工場で, ペーパ, 及び板紙のカレンダに, 高温ジャケットロールが, 数多く運転されている。主として, ソフトカレンダとハードニップカレンダが, 高温で, しかも高速で運転されている。最近, とみにあらゆるペーパーや板紙が, 嵩があって平滑性がよいこと, そして印刷性に優れていることが要求されてきている。また, ハイグロスであることも要求されている。これらペーパー, 及び板紙の品質向上の要求には, 高温ジャケットロールが要求を満たしている。すなわち, ソフトカレンダやハードニップカレンダに組み込まれたジャケットロールが, 高温で, ワンパス及び低ニップでカレンダ掛けをされるので, これらの要求に応えている。また, 従来, コーテッドペーパー (Coated paper) は, 高温ロールでのカレンダでは, カレンダ後の表面仕上がり状態に問題があった。水ぶくれのような現象を起こしたり, コーティングカラー (CoatingColour) が剥離するというようなことがあった。しかし, 現在ではかなり, コーティングカラーの開発をされている。ソフトカレンダーで, かなりの高温のジャケットロールによって運転をされている。その結果は, 顧客の満足を得るものとなっている。また, 板紙では, ハードニップカレンダー, すなわち, 高温ロールで, ワンパスの低ニップでのカレンダー掛けが重要である。従来のように, 6段や4段のマシンカレンダーでは, とても板紙の嵩を得ることができない。