著者
瀬崎 彩也子 藤村 夏美 野坂 咲耶 今井 具子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.219-241, 2021-08-01 (Released:2021-10-02)
参考文献数
268

【目的】現在報告されている食事スコアと非感染性疾患との関連についてシステマティックレビューを行い,本研究ではそのうち地中海食スコアの特徴と有用性を明らかにすることを目的とした。【方法】成人を対象に食事スコアで非感染性疾患を評価し,英語・日本語でPubMedに発表された論文(2000年1月~2017年5月)から採択基準により抽出した。スコアごとに分類し,そのうち地中海食スコアの詳細をエビデンステーブルにまとめた。【結果】2,036件の抽出論文より,タイトル574件,アブストラクト902件,本文精読323件が削除され,最終採択論文は237件となった。食事スコアはHealthy Eating Index関連142件,地中海食スコア関連65件,Dietary Quality Index関連34件等に分類された。地中海食スコアはMediterranean Diet Score(MDS)17件,alternate Mediterranean Diet Score(aMed)23件,MedDietScore5件等であった。MDSとaMedは対象集団に依存する相対スコア,MedDietScoreは絶対値スコアであり,いずれも非感染性疾患との有意な関連が報告されていた。【結論】地中海食スコアは対象集団,目的等で使い分ける必要があることが示唆された。今後さらなるエビデンスの蓄積が必要だと確認された。