著者
桜井 修次 藤村 成夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.57, pp.173-176, 1984-03-26

昭和38年・56年の豪雪年には、東北・北陸地方において、鉄骨構造物を中心に多数の建物が倒壊したが、道内の積雪による建物の倒壊事故は、野津紡績工場(昭和50年3月)・北海道トラックターミナル(昭和53年3月)・北海道航空格納庫(昭和56年1月)などに見られるように、豪雪年に限らず跡を断たない。この雪害の主たる原因の一つとして、屋上積雪量が特定行政庁の定める設計基準値を大幅に上回ったことによるものであることが指摘され、基準の見直しが論議されている。北海道をはじめ、多雪地域における木造・鉄骨造の建物の構造設計では、積雪荷重が支配的な要因となることが多く、建物の安全性と経済性に重要な影響を与えるが、その実態に関する系統的な調査・研究はこれまで十分に行なわれていなかった。本調査は、これに関する基礎資料の蓄積をはかろうとするものであり、1.北海道各地の各種建物についての実態調査 2.陸屋根を有する無暖房大型倉庫についての1冬期間の継続計測 3.無落雪模型屋根についての1冬期間の継続計測を行なった結果を報告する。
著者
柴田 実 川治 正則 藤村 成夫 中村 裕史
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集
巻号頁・発行日
no.49, pp.123-126, 1978-03

有珠山は、1977年8月6日未明から、火山性地震を頻発し始め、翌7日、9時12分頃大噴火を起し、その後も数回の爆発を繰り返し、火山弾、火山れき、火山灰等の噴出物は、約2億立方米といわれ、地殻変動、地震動などで建物にも被害を与えた。当研究所では、噴火後直ちに、建物の被害調査と噴出物の建築材料への利用について調査を実施し、地殻変動による建物被害については調査を続行中である。本稿では、北海道大学理学部勝井義雄教授らの論文、その他資料から有珠山噴火の概要について述べることとする。