著者
後藤 正己
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.57, pp.213-216, 1984-03-26

荒廃した戦後の国土復興の為、都市計画、区画整理事業の中で、安い費用、工期短縮等の中から急成長したのが曳家の技術である。しかし曳家そのものへの認識、技術等の地域さがあり鉄筋コンクリート造建造物は大都市中心に行なわれた様である。詳細は定かでないが、東京で5階建7,000トン、名古屋で8階建20,000トン等の大規模な建物が動いて意る。鉄筋コンクリート造の曳家では、建物下に移動装置の取付け段取りから移転完了据付までの同建物に応力の変化を起こさないことを原則のもとに施工しなければならない。鉄筋コンクリート造補強コンクリートブロック造、煉瓦造等では木造建物の様に基礎と切離す事が、切断による建物を傷める危険性及び補強強度の不安、又工事費の増大等の欠点があり、基礎下から持ち上げて曳家する方法が取られている。規模が大なる建物では機械に制約され、持ち上げるとジャッキが3倍、枕木が10数倍の量が必要であると、揚げ下げする時の、ジャッキ全体のバランスを保つ事が難しく、建物を痛める原因にもなる、又工期、費用も増大するので、無浮揚工法がほとんどである。実量のある大規模な曳家で一番問題があるのが、地耐力である。地耐力が充分である地盤は良いが杭等にたよっている建物は、地盤の改良、枕木等の敷詰、鉄筋コンクリートの路面等で、補強しなければ、建物の移動中に不等沈下を起こしてします。又基礎底面下約600w/mの移動装置が必要なために地下水位も考慮しなくてはならない。それでは、当社が昭和58年7月から9月にかけて施工した。(株)日鉄工営の下請で、曳家工事のみを手掛けた、室蘭日鋼記念病院看護婦業の曳家工事の概略を報告させていただきます。
著者
桜井 修次 藤村 成夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.57, pp.173-176, 1984-03-26

昭和38年・56年の豪雪年には、東北・北陸地方において、鉄骨構造物を中心に多数の建物が倒壊したが、道内の積雪による建物の倒壊事故は、野津紡績工場(昭和50年3月)・北海道トラックターミナル(昭和53年3月)・北海道航空格納庫(昭和56年1月)などに見られるように、豪雪年に限らず跡を断たない。この雪害の主たる原因の一つとして、屋上積雪量が特定行政庁の定める設計基準値を大幅に上回ったことによるものであることが指摘され、基準の見直しが論議されている。北海道をはじめ、多雪地域における木造・鉄骨造の建物の構造設計では、積雪荷重が支配的な要因となることが多く、建物の安全性と経済性に重要な影響を与えるが、その実態に関する系統的な調査・研究はこれまで十分に行なわれていなかった。本調査は、これに関する基礎資料の蓄積をはかろうとするものであり、1.北海道各地の各種建物についての実態調査 2.陸屋根を有する無暖房大型倉庫についての1冬期間の継続計測 3.無落雪模型屋根についての1冬期間の継続計測を行なった結果を報告する。
著者
西口 明弘 桜井 修次 城 攻 柴田 拓二
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.55, pp.35-38, 1982-03

1980年12月下旬から81年1月下旬にかけて、東北・北陸地方は「三八豪雪」以来の記録的な大雪に見舞われ鉄骨構造物を中心に各地で多数の建物が倒壊した。この雪害の主要な原因の一つとして、積雪量が設計値を大幅に上回ったことによるものであることが指摘されており、特定行政庁の定める設計基準値の再検討の必要性が論じられている。北海道では小樽など一部の地域で多雪であったが全般的には大凡平年並の積雪で、「五六豪雪」には仲間入りをしなかった。それでも建物の倒壊事故が生じたが、実は特に多雪の冬でなくても積雪による建物の倒壊事故はしばしば生じているのである。多くの場合、その主要な原因として建築物設計用雪荷重の設定が適切でなかったことが数えられている。現行の建築基準法令では雪荷重を特定行政庁の定める最深積雪量と積雪の単位重量を乗じて計算することになっている。しかし最深積雪量の規定は観測資料との関連が極めて曖昧で、合理的根拠の不明な値が地域毎にそれぞれ異なった考え方で設定されている。又、積雪単位重量も多雪地域では全国的に共通して0.3と規定されているが、蓄積された実測資料に基づいた検討が十分になされているとはいえないようである。こうしたことから、設計用雪荷重を合理的に設定するには、まず積雪重量そのものを定量的に把握することが急務であることが各方面から指摘されてきた。本報は札幌及び東北・北陸各地で過去に測定された平地積雪重量に関する資料を収集し実証的な検討を試みたものである。
著者
大野 和男 小幡 守 串山 繁 鳥井 信吾
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.57, pp.189-192, 1984-03-26

図1,2に示す対辺距離200mの生6角形平面・鉄骨造陸屋根構造物に鉛直荷重が作用した場合,及び部材に温度差が生じた場合の応力解析を微小及び大変形理論により行った。解析は対称性を考慮し,全体の1/2について行った。図1に示すIシリーズは,屋根トラスを支える柱の剛性の大小,スパンの長短及びはりせいの大小が解析結果に及ぼす影響を検討する為にI-stを基本タイプ(頂[部柱幅600/19√3m≒6.08mの場合,I-A-2 : 頂部柱幅=0m,すなわち柱が無くて屋根トラス端部がローラーで支持された場合,I-B-1 : 対辺距離を250mとした場合,I-B-2 : 対辺距離を300mとした場合,I-C-1 : はりせいを4mとした場合。また温度応力の解析はモデルの相違による温度応力の影響の差を検討する為,先ず微小変形理論によってI-st及び図2のIIの架構について解析し,その結果,より大きな応力が生じたI-stについて大変形理論により温度を-40℃〜40℃の範囲で10℃刻みで変化させて解析した。
著者
桜井 修次 城 攻
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北海道支部研究報告集. 構造系
巻号頁・発行日
no.60, pp.81-84, 1987-03-23

我が国では、約160の官署が地上気象観測を行っている他、約1300の地域気象観測網(アメダス)があるが、これら以外の未観測地点について、国土数値情報に基づく地形特性を用いて気温や降水量などの気象データを推定する研究が、気象庁や各方面で最近盛んに行われている。設計用雪荷重を算定する上で、未観測地点の積雪深を適切に推定することは極めて重要である。積雪深と各種地形因子との関係式を扱った研究としては、石原や前田の報告があるが、地形因子の計測は地図上での読み取り作業によっている。国土数値情報を用いたものでは柴田らの報告があるが、対象領域が新潟県西半分であり全国をカバーしているものではない。建設省総合技術開発プロジェクト「雪に強い都市作りに関する総合技術の開発」建築構造部会では、国土数値情報による地形因子をべースに全国土において1)未観測地点の年最大積雪深の50年期待値(以下S_<50>と記す)の推定に必要な重回帰式の作成。2)1km四方メッシュにおけるS_<50>の推定。特に市区町村行政機関所在地におけるS_<50>一覧の作成。3)2km四方のS_<50>メッシュマップの作成。を主たる開発目標としてきた。筆者らは、本プロジェクトにおいて北海道地域を担当しており、本報その1では1)について、本報その2では2)、3)についての研究成果を報告する。