- 著者
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斎藤 馨
藤原 章雄
藤稿 亜矢子
YANO Akiko
OKAMOTO Takuya
- 出版者
- 東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
- 雑誌
- 東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
- 巻号頁・発行日
- no.116, pp.267-281, 2006-12
- 被引用文献数
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1
東京大学秩父演習林では、1995年より2台の森林映像記録ロボットカメラによる森林景観のビデオ記録が続けられている。定点定時の記録動画と音声は、森林の日々の様子を直感的に感ずることのできる環境学習コンテンツになると考えた。本研究では、小学校の総合学習において、環境教育の映像教材を利用する可能性のある3年生以上の小学生を視聴者と想定し、2003年1月6日から2004年1月5日の1年間の森林映像データと気象データをデジタル化し、24節季72候の暦に従って、候単位で映像記録をとりまとめたデジタルコンテンツを試作した。メディアは、1候を1枚のカードにレイアウトデザインした印刷物とPDFファイル、1候を1チャプターとして日々の映像と音声、及び気温の時間変化グラフを視聴できるビデオ再生画面レイアウトをデザインしたDVDを作成した。またPDFファイルとDVDファイルをダウンロードできるWebサイトには、森林映像記録ロボットカメラについて視聴者に理解できるように平易な文章で解説を掲載し、デジタルコンテンツを配信できるようにした。試作を通じて、印刷物とDVDを一緒に視聴することで、印刷物を見ながらDVDで映像を選択して視聴する方法や、逆にDVD映像を見ながらその前後をカードで一覧するなどの使い方があることが分かった。森林の日々の様子を擬似的にでも感じる際に、印刷物とDVDとが相互に補完するメディアとしてデザインすることが必要だと思われる。本研究での試作を通じて明らかになったデザインを踏まえ、さらに洗練したデジタルコンテンツを新たに制作し、森林環境の変化を子供達が感じ取れるデジタルコンテンツの評価実験を小学校の教員との共同で進めたい。