- 著者
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國田 祥子
小阪 芙由美
西 菜見子
- 出版者
- 中国学園大学/中国短期大学
- 雑誌
- 中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
- 巻号頁・発行日
- no.18, pp.113-122, 2019-06-16
近年,待機児童の問題が大きく取り上げられている。保育施設の増加が必要だが,保育士不足もあって容易ではない。保育士不足の原因の1つに,早期離職者の多さがあると言われている。そこで本研究では,保育士がなぜ早期に離職してしまうのかを検討する。 保育士146名に質問紙調査を行い,離職を考えた経験とその理由,職場環境について尋ねた。その結果,20代後半以降や保育経験6年以上で離職を考えた経験のある人が増加していた。離職を考えた理由は「職場の人間関係」「残業が多い」「給与面」が,保育士を続けてきてよかったことは「子どもの成長に貢献できていると思うこと」「子どもと一緒に過ごせること」「保育を通して充実感が得られること」が多かった。また離職を考えた経験のない人は,ある人よりも現在の職場には研修機会が多く,相談相手がいると感じていた。 保育士の多くは職場の人間関係や待遇に不満を感じつつも,自分の保育を高める機会や相談できる同僚の存在に支えられ,子どもの成長を糧として仕事を続けていることが示唆された。多様な価値観を許容する職場風土の醸成や保育士の待遇改善が,早期離職者を減らすために有効なのではないだろうか。