- 著者
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川上 万里
梅川 康弘
西下 千春
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.6, pp.285-291, 2010 (Released:2010-07-02)
- 参考文献数
- 19
2008年3~4月にわれわれは3例の成人麻疹を経験し,そのいずれもが肝障害を伴っていた.症例は19歳女性,26歳男性,33歳女性で,発熱と全身倦怠感のため受診し,初診時あるいは経過中全身に紅斑が認められ,麻疹と診断した.3例とも血液検査においてAST,ALT,LDHの増加とIgM型麻疹ウイルス抗体の出現が認められた.成人例は小児例とは異なり,高率に肝障害を伴うといわれている.急性肝障害の鑑別診断にあたり麻疹も念頭におく必要がある.