著者
川上 正浩 小野 菜摘 佐々木 美香 西尾 麻佑
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.95-103, 2012-01-31

本研究では、読み(音韻)から漢字(形態)への対応について、人間の反応に基づいたデータベースを構築することを目的とした。具体的には、仮名一文字で表記される特定の音韻(読み)から想起される漢字のバリエーションについて明らかにすることを目指した。実験参加者169 名を4 つの群に振り分け、それぞれの群に、仮名一文字で表される15 個の音韻を呈示した。30 秒の制限時間内に当該音韻から想起される漢字一文字のデータベースを作成した。集計の結果、本研究で対象とした仮名一文字のうち、もっとも多くの漢字が想起されたのは「か」(4.98)であり、もっとも少ない漢字が想起されたのは「ぬ」(0.80)であった。これは各実験参加者の想起漢字数であるが、想起された漢字のバリエーションについては、「か」(46)がもっとも多く、「せ」(3)がもっとも少なかった。