- 著者
-
西山 順滋
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.2, pp.119-124, 2020 (Released:2020-03-01)
- 参考文献数
- 16
プライマリ医療には心身医学的な問題が数多くあり, 心身両面からのケアが必要とされている. プライマリ・ケア領域において心身医学の知識やスキルを活かすことができるが, 残念ながら心身医学が浸透しているとはいえない.総合診療部門に来院される初診患者の25〜35%は専門診療科が定まらない機能的疾患で, 心身症に該当する割合が高い. 従来の診療では対応に難渋されることも多いが, 当科では心身医学的な視点で関わることで, 早期に診断・治療が行われ, 終結に至る症例も少なくない. 「不定愁訴群」 といわれてきたこのような疾患群は, 近年, 医学的に説明困難な身体症状 (medically unexplained symptoms : MUS), 機能性身体症候群 (functional somatic syndromes : FSS) と表現されるようになっている. 本稿ではFSSを中心に心身医学との関連を述べる.