著者
西岡 篤夫 安藤 勲 井上 義夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.30, no.335, pp.139-143, 1973
被引用文献数
2

ポリアクリロニトリルのモデル化合物メソおよびラセミ2, 4-ジシアノペンタンのプロトンデカップリングを行なったパルスフーリエ変換<SUP>13</SUP>C NMRスペクトルを室温で25.15MHzで測定した。各炭素原子の化学シフトの順序は低磁場からCN, CH<SUB>2</SUB>, CH, CH<SUB>3</SUB>の順で, またCN炭素の場合メソはラセミより低磁場に現われるが, CH炭素の場合メソはラセミより高磁場に現われた。この結果はポリアクリロニトリルの場合低磁場からCN, CH<SUB>2</SUB>, CHの順に現われ, またトリアッド (I, H, S) につきCNはIがSより低磁場に現われるのに対し, CHはその逆になることと一致する。このモデル化合物の<SUP>13</SUP>C化学シフトの理論的計算をPopleの理論に基づきCNDO/2法で行ない, 実験値と比較した。