著者
戸倉 清一 西 則雄 西村 紳一郎 ソモリン オイン
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.T507-T511, 1983
被引用文献数
25

キチン及び化学修飾したキチン誘導体を繊維化し,それらのひっぱり糸質及びリゾチームに対する受容性を調べた。部分脱アセチル化キチンの繊維は特に湿強度の点で最もすぐれていた。一方,カルボキシルメチル(CM)基やジヒドロキシプロピル(DHP)基のような親水的なアルキル基を導入すると繊維強度は低下したが,リゾチーチの作用は受け易くなった。また, N-アセチルグルコサミン残基のC<sub>6</sub>水酸基を修飾する限り,かさ高いアルキル基を導入してもリゾチームの作用を受け易くなる事がわかった。顕微鏡による観察で,リゾチーム受容性の増大は繊維表面の親水性増加によりおこる事が明らかとなった。