著者
西津 伸一郎
出版者
立正大学経済学会
雑誌
経済学季報 = The Quarterly journal of Rissho Economics Society (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.75-96, 2019-10-30

統計分布は有意性の検定など統計的検定に用いられるが一般的であるが,本稿は統計分布の形状自体から多くの示唆が得られることを示すのが目的である.事例として用いたのが,大学の偏差値と志願者数,パレートの法則そしてロングテールの法則である.パレートの法則に対しロングテールの法則は,一見するとパレートの法則に対するアンチテーゼのように見える.ところが,この2 つの法則はどちらも同一のパレート分布とよばれる統計分布から導かれている.なぜ異なる結論に至るのかを明らかにする.
著者
西津 伸一郎
出版者
立正大学経済学会
雑誌
経済学季報 (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.97-116, 2018-03-30

本稿の題目は,「消費税は本当に消費者が負担しているのか」である.しかし本稿の目的は,それを解明することではない.言葉(文字)だけによる説明・主張の危うさを指摘することが目的である.言葉(文字)による説明は,その記述は部分的には正しいあるいは正しく見えるものによって構成される.そのためその説明によって得られた結論は,正しいあるいは正しく見えてしまうことになる.消費税と限界費用を例に,誤った結論に誘導してしまう危険性を指摘する.