著者
西澤 千恵子
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学大学院紀要 = Bulletin of Beppu University Graduate School (ISSN:13450530)
巻号頁・発行日
no.17, pp.59-66, 2015-03

大分県の代表的郷土料理であるだんご汁の喫食状況と、だんご汁成立の背景を調査した。だんご汁は対象者全員が知っており、父母が手作りしたものを食べていた。様々なだしにみそで味付けがされ、ひも状のだんごが入っていた。具材はあらゆる食品が使われ、作り方は父母から子に伝えられていた。小麦粉で作ったものを汁に入れて煮込んだ料理は全国的に見られるが、ひも状に手延べされたものとなると、稀である。一つの考え方として、大友宗麟の時代から存在したといわれる「ほうちょう」の存在が製造方法に影響を及ぼして、全国に例のないような現在のだんご汁の形ができた可能性が推測された。