著者
渡邊 薫 大河原 一郎 西田 光宏 西澤 和倫
出版者
静岡赤十字病院
雑誌
静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital (ISSN:09119833)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.53-58, 2013-12

症例は3歳8か月女児.両下肢を中心とした隆起を伴う紫斑がみられ,翌日には腹痛・嘔吐が出現しHenoch-schoenlein紫斑病が疑われ精査加療目的で当院小児科外来受診した.入院後よりステロイド点滴治療開始し症状は速やかに改善したが,ステロイド漸減にて症状が再出現した.血液凝固第XIII因子製剤や抗ロイコトリエン受容体拮抗薬を投与するも症状の改善と増悪を繰り返し,治療に難渋した.Henoch-schoenlein紫斑病の多彩な症状とその他の治療法について若干の文献的考察を加え報告する.