著者
西田 祐二 中尾 彰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.421-426, 2013-02-28

インターネット上で実施される従来のアドターゲティングには,(1)HTTPで送受信されるテキストデータの解析,(2)広告ネットワークに閉じたデータマイニング,(3)広告コンテンツのサイズが小さい,といった制限が問題として存在するため,我々は網内アドターゲティングによってそれらの問題を解決し,(1)プロトコルにとらわれないテキストデータの解析,(2)広告ネットワークを横断する統一的なデータマイニング,(3)精彩で魅力のある広告コンテンツの利用,といったことをWiFiアクセスポイントを用いることで実現可能にする.また,我々の提案方式では,WiFiアクセスポイントの仮想化により,複数のMVNOを同時に収容し,WiFiを対象としたあらゆるサービスや実験を同時に提供可能としている.本稿では,WiFiアクセスポイント上の計算資源が限られているため,推測処理プログラムを実環境や遠隔サーバで共有し,プロセス間通信を通して利用することで,消費リソースの軽減や計算時間の短縮を達成する手法を評価し,本提案による網内アドターゲティングが実用可能であることを示す.