著者
江川 博明 カバイ ナラン 西郷 伸吾 野中 敬正 首藤 健富
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.324-332, 1991
被引用文献数
1

アミドキシム基を有する球状吸着剤において, 実際に利用できる機械的強度を有し, 海水からのウラン吸着性能をどこまで高められるかを目的に, 海水ウランが粒内を拡散するに適する湿潤時細孔構造をもつ, 低橋かけ度多孔性樹脂の合成を試みた. 橋かけ剤としてジビニルベンゼン (DVB) 5mol%, 重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを180mmol/<I>l</I>モノマー, 希釈剤としてトルエンをモノマーに対し100vol%使用して合成したアクリロニトリルーDVB球状共重合体をヒドロキシルアミンのメタノール溶液と80℃, 2h反応させて得られた樹脂は, アルカリ処理 (1mol/<I>l</I>NaOH, 30℃, 72 h) 後においても良好な強度を示した. 天然海水 (約25℃) を上向流で空間速度 (SV) 650±30h<SUP>-1</SUP>で10日間通液し, 硫酸で溶離したとぎのウラン回収量は130mg/<I>l</I>-R, 640g/kg-Rであった.