著者
江川 博明 カバイ ナラン 野中 敬正 首藤 健富
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.87-94, 1991

アクリル中空糸 (内径0.8mm, 外径1.4mm) を基体としてアミドキシム基を有する中空糸状吸着剤を製造し, その海水からのウラン吸着性能について研究した. 得られた吸着剤のウラン吸着速度はアルカリ処理することにより著しく向上した. 吸着速度向上の最も大きな因子は吸着剤のアルカリ溶液中における膨潤による膨潤細孔の形成である. その他に吸着剤の化学的な構造の変化がみられた. 固体試料の (CP-MAS)<SUP>13</SUP>CNMRスペクトルの測定により官能基構造について若干の情報が得られた.
著者
江川 博明 カバイ ナラン 西郷 伸吾 野中 敬正 首藤 健富
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.324-332, 1991
被引用文献数
1

アミドキシム基を有する球状吸着剤において, 実際に利用できる機械的強度を有し, 海水からのウラン吸着性能をどこまで高められるかを目的に, 海水ウランが粒内を拡散するに適する湿潤時細孔構造をもつ, 低橋かけ度多孔性樹脂の合成を試みた. 橋かけ剤としてジビニルベンゼン (DVB) 5mol%, 重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを180mmol/<I>l</I>モノマー, 希釈剤としてトルエンをモノマーに対し100vol%使用して合成したアクリロニトリルーDVB球状共重合体をヒドロキシルアミンのメタノール溶液と80℃, 2h反応させて得られた樹脂は, アルカリ処理 (1mol/<I>l</I>NaOH, 30℃, 72 h) 後においても良好な強度を示した. 天然海水 (約25℃) を上向流で空間速度 (SV) 650±30h<SUP>-1</SUP>で10日間通液し, 硫酸で溶離したとぎのウラン回収量は130mg/<I>l</I>-R, 640g/kg-Rであった.
著者
金 善南 塩澤 崇博 緒方 智成 野中 敬正 栗原 清二
出版者
THE JAPANESE LIQUID CRYSTAL SOCIETY
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.229-229, 2007

フォトニック結晶というのは誘電体の構造的な周期性によって特定の波長の光だけを反射する。つまり誘電定数を変えることで、光の制御ができる材料である。自然界では、例えば、虹色で輝く魚や蝶の羽などで見られる。一方、ブラッグ式によると反射波長は主に結晶の間隔と屈折率に依存する。フォトニック結晶に光応答性を導入することで、光によって屈折率変化が伴い、光-光制御機能を有するフォトニック結晶の開発が可能となると思われる。 本研究では、光応答分子であるpush-pull型アゾベンゼン分子を含む高分子液晶材料を合成し、silica逆オパール周期構造に充填することで可逆性のある光応答性のオパールフィルムを作製、照射によるブラック反射のスイッチングについて調べることを目的とした。