- 著者
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山本 誠己
尾野 光市
浅江 正純
稲生 誠樹
西野 伸夫
戸田 慶五郎
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.9, pp.2257-2260, 1987-09-01
- 被引用文献数
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咳嗽や体位変換時の急激な腹筋の収縮によって筋断裂や血管損傷をきたし,腹壁に血腫を形成することがある.このような病態は古くHippocratesの時代より知られているがまれな疾患であり,その存在を知らないと腹腔内疾患と誤診されることもある.一般には腹直筋領域に多いため,腹直筋血腫,hematoma of the rectus abdominis muscle,腹直筋症候群,rectus muscle syndromeなどと呼ばれているが,内外腹斜筋領域にも同様の血腫形成をみることがあり,広く腹壁血腫と称する方がよいとするものもある.著者らは典型的な腹直筋血腫の2例と,右内腹斜筋損傷による右季肋部腹壁血腫の1例を経験し,その診断に腹部超音波検査,腹部computed tomography(以後CT検査と略す)が有用であったので報告する.