著者
西頭 光代
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.185-192, 2015-06-01 (Released:2015-06-01)
参考文献数
4

日本化薬における知的財産関連教育は特許研修と情報調査研修からなり,「関連領域の先行技術調査を自ら行って,明細書を自ら作成できる研究者」を育成することを目標としている。新入社員教育から始まり,各年次目標に沿った研修プログラムを組み立て,知的財産部員が研修テキストの作成,講義,演習を実施している。その中で,技術系社員向けに行っている情報調査教育について,特に日本特許検索データベースの研修を例に,教育方法およびその具体的な内容を紹介する。特許検索が実際の研究業務にとって有用であることを実感できるように配慮するとともに,研修後にも実際の職場において各エンドユーザーが継続的に調査ツールを自然に活用できるような工夫をしている。たとえば,業務にかかわる演習を必ず行い,自らの興味に基づき試行錯誤した後に達成感を得られるような演習体験の機会を提供することが有効である。