- 著者
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見ル野 雄大
- 出版者
- 電気通信大学
- 巻号頁・発行日
- 2021-03-25
近年、食品工場全体の自動化が進んでいるが、弁当の生産ラインは未だに大量の人員が必要である。本研究では、深層学習を用いたバラ積み食材のピッキング操作の実現を目指す。ランダムにバラ積みされた食材を撮影したRGB画像に対して、ある一方向から把持が可能な領域を正解ラベルとして与える。物体認識手法のひとつであるセマンティックセグメンテーションを行い、適切な把持領域を学習させる。こうして訓練したネットワークに回転したバラ積み画像を入力し、一方向だけではなく多方向からの識別結果を得る。こうして集まった多方向からの把持候補点のうち、ネットワークが最も強く反応した一点を把持点として選択し、保存する。このような認識手法を組み込み、ただ一つに選定された把持点をロボットアームとその手先に取り付けたトングによって把持しに向かうアルゴリズムを構築した。実験として、対象の食材で学習させたネットワークを用いて、最初に球形の食材としてから揚げを採用し本手法を適用した。次に平たい食材としてレンコンの天ぷらを採用し本手法を適用し、それぞれの食材について手法の有用性を検討した。結果、訓練に使用したから揚げの把持はクレーンゲーム機のように上から掴み上げる動作でバラ積みピッキングを5ケース全てで完遂出来た。レンコンの天ぷらの把持は横からすくい上げる動作を追加することでバラ積みピッキングを10ケース中5ケースで完遂出来た。