著者
橋本 修 角 和俊 横川 英広 伊藤 晶彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.90, pp.53-59, 2001-05-18
被引用文献数
11

抵抗皮膜を用いたλ/4型電波吸収体は, 構造が簡単でしかも設計等が容易にできることから, 室内無線LANなどの利用を考えた場合, その利用が期待されている. しかしながら, このタイプの電波吸収体は, 使用するスぺーサ内の波長の1/4より薄くできない欠点がある. そこで, 本研究では, λ/4型電波吸収体のスペーサ部にFSS (Frequency Selective Surface)を吸収膜としての抵抗皮膜と並列に挿入し, スペーサ内の位相を変化させることにより, 吸収体の厚みを薄くすることを試みた. この場合, 設計周波数領域における使用するFSSのインピーダンスを把握する必要があるが, 本研究では, 測定したFSSの透過特性からFDTD法を用いて, インピーダンスを求め, これを電気的等価回路に代入することにより, 吸収特性が最大となるFSSの挿入場所や抵抗皮膜の面抵抗値を決定した.