著者
計 宇生 Ji Yusheng
出版者
国立情報学研究所
雑誌
NII journal (ISSN:13459996)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-8, 2001-03-30
被引用文献数
1

様々なサービスを同一の物理ネットワークで提供するような統合サービス網において、ネットワーク資源の有効利用と、サービス品質の保証のためにはネットワークに入るトラヒックに対して一定の規制を行うことが必要である。一方でエンドユーザにとって、ネットワーク側の規制を満たすためにはある程度品質を犠牲にしなければならないという矛盾が生じる。本論文では様々な特性を持つトラヒックに対するトラヒック規制がこれらトラヒックの品質に対する影響について検証する。その結果、シェーピングなどのトラヒック規制によって、指数分布をベースとするトラヒックに対しては一定の遅延を許せば多重化ノードにおけるキュー長を削減することができるが、自己相似性のようなより長い記憶性をもつトラヒックに対してのシェーピングは、理想的な効果が得にくいことが明らかになった。