著者
諏訪 久
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.130-137,A9, 1960

理想的な気候, 安価で栄養の多い食物, 高給は在留邦人のもつ好条件であるが, 大部分の邦人はこれらの好条件を有効に使つて楽しむ能力がなく, 能率を下げている場合が多い. 又多くは1,2年の短期間の滞在のため, この国の事情に通じアフガン人に対しよい影響を与えるには至らない.<BR>肉体的にはこれら邦人は大部分健康であるが, 精神的には極めて不安定で精神異常を呈するものもある. 日本人は家族を伴なうべきであり, 強い意志をもち, この国に於ける生活を楽しむことが出来て, 個人の生活を互いにみだすことなく, 物事を本質的に考えることが出来る日本人を送るべきである. 英語, 独語, 仏語, ペルシヤ語等が自由に話せることは望ましく, 精神衛生上から言つても必要なる条件である.