著者
谷下 一夫 棚沢 一郎 山口 隆美 菅原 基晃
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.50, no.456, pp.1945-1954, 1984-08-04
被引用文献数
1

血液における炭酸ガス拡散係数は,人工肺のガス交換性能を評価するために必要であるが,実測値が全くない.そこで,静止血液試料層を用い,準定常法により炭酸ガスの有効拡散係数を測定した.温度の下降および赤血球濃度,血しょう(漿)たん白濃度の増加とともに,拡散係数が低下する結果を得た.さらに,赤血球内の炭酸脱水酵素の効果により,溶血した血液およびヘモグロビン溶液において顕著な促進拡散が認められた.