著者
谷口 孝喜 浦沢 正三
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-34, 1985-06-01 (Released:2010-03-16)
参考文献数
115
著者
谷口 孝喜
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.87-96, 2012-06-25 (Released:2013-05-09)
参考文献数
53

2006年に2種のヒトロタウイルスワクチン(RotarixとRotaTeq)のすぐれた有効性と安全性を示す臨床試験成績が報告されて以来,ロタウイルスワクチンに対する関心は大いに高まった.これらのワクチンは100ヵ国以上で認可され,約30ヵ国で定期接種されている.防御能は期待以上であり,重症ロタウイルス下痢症乳児の大幅な減少につながった.わが国においても,昨年11月にRotarixの投与が開始され,RotaTeqについても間もなく開始される.これら2種のヒトロタウイルスワクチンの組成,特徴,実際の効果について記載し,腸重積,感染防御の機構,ワクチン株の排泄の意味など,問題点を含めた今後の展望についてまとめた.