著者
谷口 忠敬
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.455-458, 1970-12-05 (Released:2010-03-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

魚貝類から分離したウェルシュ菌 (辺野喜の基準) の耐熱性あるいはHobbs型と, 生化学的性質とくにサリシン発酵能との関係を検討し, つぎの結果を得た.1) 分離ウェルシュ菌198株のうち48株はサリシン発酵陽性であった. 耐熱性 (100°, 60分) 株では分離15株のうち11株がサリシン発酵陽性であった. また同発酵陽性株の検出率は加熱 (80°, 20分) 検体分離株中で高く (65%), 無加熱検体分離株中で低かった (16%).2) サリシン発酵陽性分離株のHobbs型に対する一致率は25%にすぎなかったが, 同発酵陰性分離株のそれ (13%) に比べると高かった. Hobbsの各抗原型とサリシン発酵能との関連は見られなかった.