著者
鹿倉 秀典 豊澤 弘伸
出版者
青山学院女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本年度、鹿倉(代表者)はまず「音曲と戯作-潮来節と江戸戯作」(『國文学-特集:近世のネットワーク』13年6月・学燈社)において「江戸長唄」にも取り込まれた俗謡「潮来節」と当時の文藝である「江戸戯作」との関連性について論じたほか幾つかの成果をあげた。一方、豊澤は「情報活用能力と評論・論説の読み」(『月間国語教育』通巻251号)などにおいて「読み」の能力の変容についての考察を深めてきた。本年度の研究代表者(鹿倉)・分担者(豊澤)の主要な業績は、次ページに記した。但し、この期間、研究代表者は関東短期大学(旧本務校)から青山学院女子短期大学(現本務校)に転任、同僚であった研究分担者との連絡が困難になってしまった。それ故、電子メールを活用し、今回の「研究成果報告書」を完成させることとした。「最終成果」は、明和年間『常盤友』を国立音楽大学所蔵「竹内道敬寄託文庫」を底本に、これまでの翻刻の誤りを是正し、章句索引を作成した。『めりやす豊年蔵』(東京都立中央図書館)『おぎ江節正本集』(国立国会図書館蔵)『哥撰集』(東京都立中央図書館蔵)などに収められたテキストも入っている。それ故、本年度「最終研究成果報告書」は、『常盤友』のテキスト分析に主眼をおいた。但し、これは終わりではなく、「近世歌謡詞章研究」の始まりなのである。なお、本研究に用いた「本文テキスト」は、本年5月以降「http://www5b.biglobe.ne.jp/〜sakou/」において、公開する予定である。