著者
小林 成光 池原 弘展 友滝 愛 賢見 卓也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.139-144, 2019 (Released:2019-06-21)
参考文献数
26

本研究の目的は,がん患者とその家族の仕事とお金に関する相談内容の特徴を明らかにすることである.ファイナンシャルプランナーと社労士による「仕事とお金の個別相談」に参加したがん患者の個別相談の相談内容をテキストマイニングの手法を用いて分析した.相談件数は125件(4施設)で,患者の平均年齢は54±10.1歳,女性70名(56%)であった.相談者の属性は,患者本人80名(64%),配偶者と本人19名(15.2%),配偶者13名(10.4%)であった.分析の結果,[頻出語]の上位5つと関連する主な共起語は,[月](共起語:休職,年),[傷病手当金](受給,休職),[現在](受給,収入),[仕事](内容,続ける),[治療](生活,収入)であった.相談者は,がん治療に伴うお金や生活への影響などに不安を抱えながらも,復職や離職・就労の継続などの働き方,傷病手当金などの休職時に利用できる公的制度について相談していることが明らかとなった.