著者
古川 浩 大崎 邦倫 赤岩 芳彦 清水 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.93, no.255, pp.71-77, 1993-09-30

コードレス電話や無線LANなどの屋内無線通信システムを構築するにあたっては電波伝搬特性の解明が重要である。本論文では将来屋内無線通信に用いられると思われる準マイクロ波帯において中規模建物内での伝搬損推定とフェージング特性の調査を行なった。伝搬損の推定には次の4つのモードを考えた。(1)見通し内における低損失伝搬路伝搬波、(2)廊下伝搬波、(3)障害物を通り抜けた直接波、(4)建物再侵入波である。これらの伝搬モデルに必要なパラメータを実験から求め伝搬損の推定を行った。その結果平均誤差4.5dB前後で推定することができた。一方、フェージング特性についてはレベル分布とライスパラメータにより解析した。また、空間的に離した2本のアンテナに受信される信号の相関係数を測定した。その結果、見通し内のライスパラメータは約2、見通し外のライスパラメータは約1となることがわかった。ダイバシティ受信を行った場合2本のアンテナの相関が0.5以下となる場所率は80〜95%であることがわかった。