著者
赤石 和幸
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.XXIII-XXIV, 1999 (Released:2010-11-26)
参考文献数
1

平安時代の十和田火山最新噴火では, 北日本の広い範囲に十和田aテフラが降り, 続いて毛馬内火砕流が発生した(町田, 1981). 火砕流は泥流化して米代川沿いに流下し, 途中で堰止湖を作って大洪水を引き起こし, 流域を火山泥流堆積物で覆い尽くした. 1999年7月29日に秋田県大館市道目木の圃場整備工事現場でこの堆積物を調査中, 大洪水による災害を生々しく物語る古代の埋没家屋を発見した. この遺跡は米代川流域で現存する古代の庶民の埋没家屋としては唯一の例であり, 当時の庶民の生活を知る上で貴重であるだけでなく, 火山泥流の特性と大洪水による被害の実態を知る上でも重要な手がかりとなり, 今後の災害予測にも役立つものと期待される.