著者
越後 和徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.24, pp.1-6, 2011-05-02

2007年末に1億人に達した我が国の携帯電話の加入者数は、2011年2月末には1億1,823万人に達し、国民一人一人が携帯電話を所有する時代が実現されつつある。また、そのうち98.7%が第3世代移動通信システム(IMT-2000)の利用者であり、いつでもどこでも、様々なアプリケーションやサービスを享受することができるようになりっつある。一方で、近年のiPhoneをはじめとする、スマートフォンの登場により、今後ますます携帯電話の多様化、高度化が予想され、それらに対する利用者のニーズへの対応や、限られた周波数の中で急増するデータトラピックへの対策が求められているところ。このような中、昨年12月にNTTドコモが、第3.9世代移動通信システムと呼ばれるLTE(Long Term Evolution)の商用サービスを開始し注目を集めている。一方、国際電気通信連合(ITU)では、そのLTEの後継である第4世代移動通信システム(IMT-Advanced)の国際標準化に向けた審議が行われており、既に将来の移動通信システムの実現に向けた、検討が進められている。我が国においては、これら検討に関して、関係する国々や関連団体等と連携を図り、第4世代移動通信システムの候補となる技術の提案を行うなど、国際標準化活動に積極的に貢献しているところである。本講演では、この第4世代移動通信システムに関する最新の国際標準化動向など、移動通信政策の最近の動向についてご紹介する。