著者
大槻 荘一 足立 公洋
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.639-642, 1992-12-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

光学的湿度検出法を目的として,ローダミン色素を含むヒドロキシプロピルセルロース・フィルムの感湿膜としての特性を調べた.ローダミン6G(R6G)又はローダミンB(RB)を含むフィルムは0%から90%までの相対湿度の増加に対して,それぞれ50%又は88%の蛍光強度の減少を示した.0%と90%の間で相対湿度変化を繰り返すと,R6Gフィルムの蛍光強度は可逆的な変化を示した.RBフィルムの蛍光強度は湿度変化のサイクルで最初は減少し,その後一定の値となった.エージング後のRBフィルムの蛍光強度は可逆的な変化を示した.蛍光強度の減少は色素の励起状態の水分子による失活が原因と考えられる.段階的な湿度変化に対するRBフィルムの90%応答時間は6~15分であり,湿度の高い領域で早い応答を示した.