著者
辛島 千恵子
出版者
学校法人藍野大学 びわこリハビリテーション専門職大学
雑誌
びわこ健康科学 (ISSN:27581780)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.2-10, 2022 (Released:2022-12-28)
参考文献数
31

ASD児の地域生活支援の要として児童発達支援センターなどの役割が期待されているなか,作業療法士の支援の展開が問われている.目的:ASD児の余暇活動の特徴についてシステマティックレビューをおこない,彼らの自由裁量の時間に展開されている作業・活動を理解し児童発達支援センターなどで展開される作業療法の方途を見出す.方法:Leisure,ASDをキーワードとしてPubMedにて検索.システマティックレビューのプロセスに従って適切な文献を選定した.結果:適切な文献は2文献で,参考文献が8文献であった.ASD児の最も楽しんで参加していたのはRecreational Activitiesであった.また,Social Activities への参加は定型発達児に比べて低いが楽しめていた.方途:作業療法士は,ASD児が選択した好きな余暇活動に参加することを応援し,フォーマルな場である保育園や学校の生活の一部をインフォーマルな状況へと設定したうえでRecreational Activitiesや彼らが好きな余暇活動の要素を取り入れる支援が重要である.そして,ASD児の「できる」から自己有能感を高めるような正の循環を促す支援を教育者ともに実践することが求められている.