- 著者
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清水 達哉
佐藤 真理
藤田 尚正
辻 潔美
北川 善政
田村 正人
- 出版者
- 公益社団法人 日本生体医工学会
- 雑誌
- 生体医工学 (ISSN:1347443X)
- 巻号頁・発行日
- vol.Annual57, no.Abstract, pp.S175_1, 2019 (Released:2019-12-27)
目的:骨組織はメカニカルストレスに応答する事が知られ、臨床では超音波刺激による骨折の治療法が確立されているが、詳細なメカニズムは不明である。本研究では、骨組織の超音波刺激応答細胞を同定するため、骨細胞をもつゼブラフィッシュともたないメダカを用いて骨折実験を行った。また、超音波刺激への細胞内応答機構を調べるために骨細胞株に超音波刺激を行ない遺伝子発現を調べた。材料と方法:ゼブラフィッシュとメダカの尾骨を骨折させ、超音波刺激による骨折治癒過程を骨組織染色にて評価した。骨細胞株に超音波刺激を加え、刺激群および対象群からRNAを抽出しqPCRによる遺伝子発現解析を行なった。結果と考察:骨細胞をもつゼブラフィッシュは骨細胞をもたないメダカに比べ超音波刺激により骨折治癒が有意に促進された。この事から、主に骨細胞が骨組織への超音波刺激に応答していると考えられた。また、骨細胞株に超音波刺激を加えると種々のGrowth factorの遺伝子が3-50倍上昇した。つまり、骨細胞は超音波刺激を感知してこれらGrowth factorを分泌する事で、骨折の治癒に重要な血管誘導、繊維芽細胞増殖を増強して治癒を促進すると考えられた。