著者
近田 昌樹
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1171-1176,a2, 1994

中山間地域の振興は, 過疎地が多く地理的にも不利な地域が多いため成功例は少ない。そこで, 四国山地に位置する久万 (くま) 町の成功しつつある事例を紹介し, その特徴と課題を考察する。<BR>久万町では, 農林兼業の農家が中心であるが, 1960年から町全域の振興計画をたて, 圃場整備を行い高原トマト, 大根等の野菜により農業を発展させてきた。観光では, ふるさと村, 国民宿舎やラグビー場, スキー場等により日帰り, 宿泊客を増やしている。<BR>こうした取組みは, 町主導で行われてきたが, それに続いて民間の参入もでてきている。その特徴は, 活性化計画の早期樹立, 国庫補助の有効利用, 生産基盤と営農との協調, 地域資源の利用等である。