著者
進 輝代
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育工学センター紀要
巻号頁・発行日
no.3, pp.117-129, 1986-03-15

一般的に手先の器用さに欠けると言われる精神発達遅滞児にも、素材として扱い易く、身のまわりの生活用品を数多く製作できるレザークラフトは、作業種としてふさわしい要素を持つと考え、これを作業学習の題材の一つとして導入し、実践を行った。もう一つの問題として「目標と評価の一体化」ということがある。過去の教育実践の中でも、生徒の自己実現をめざし、その実態を把握し、目標→指導→計画→実践→評価の指導サイクルで、くり返し行われてきたが、生徒の能力の把握、目標の分析、作業分析及び指導内容の検討、指導方法及びその評価に関してあいまいさが残された感はいなめない。そこで教育工学的手法により到達目標の考えを導入することにより、作業学習における「目標と評価の一体化」をめざした授業を考え、指導方法を工夫することにより、授業の改善をはかろうとした。