- 著者
-
宮地 直恒
金子 操
遠山 有能
菊池 慶行
吉田 康洋
池尻 公二
- 出版者
- 一般社団法人 国立医療学会
- 雑誌
- 医療 (ISSN:00211699)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.1, pp.47-50, 1986-01-20 (Released:2011-10-19)
- 参考文献数
- 4
当院にて, 脳卒中リハビリテーシヨンを開設以来, 寝たきりからの脱却という目標で治療を行つてきた. 昭和56年~58年にわたる3年間の患者の動向について, 実際の入院や外来に当つての調査や体験である. まず病型では, 脳梗塞が脳出血より多く, 全国の平均に類似していた. 次に, 若年者の脳出血が増加している傾向がみられた. 合併症などもつものもいて, その理学療法も単一ではない. 体力や予備力測定の目安として運動時酸素消費は, 四肢機能が低いと低下する傾向があり, また3年間の統計では, 全身的にも運動機能的にも改善がみられ, Br. のstageで1度以上向上したものが下肢で45%にみられ, 理学療法の効果は著しい. またADLも日々変化する要求に対して応じてゆくには, 病院として, 今後の老人対策を考えながら, 多方面にわたる可能性を追求すべきであると思われた.