著者
河本 大地 邱 巡洋
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.277-283, 2021-03-31

奈良県十津川村と北海道の新十津川町は、遠く離れていても密な交流を保っている。1889年に発生した十津川大水害に伴う集団移住を契機とする「母子の村」の縁が、130年の長きにわたり続いている。本研究では、十津川村と新十津川町の交流の履歴について、第二次世界大戦後を中心に概要を把握し整理した。その結果、両地域の交流の歩みは、特徴や状況の異なる4つの時期に区分できることが明らかになった。また、交流は地方自治体どうしにとどまらず、民間団体や学校教育へと広がりを見せており、このことが両地域間の交流の持続可能性を高めている。