著者
鄭 ビョウ
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

自己免疫疾患の発症誘因は、未だ大部分が未解明である。水疱性類天疱瘡 (BP) は最も頻度の高い自己免疫性水疱症であるが、近年、2型糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬を服用中にBPが生じることが知られるようになってきた。本研究では、DPP-4阻害薬関連BPにおける自己抗体産生機序を明らかにする。本症ではHLA-DQB1*03:01保有者が多いことに着目し、同HLAを持つ健常人におけるBP180反応性T細胞の有無を解析する。また、DPP-4阻害薬がTリンパ球に及ぼす影響を、細胞培養や制御性T細胞欠損マウスの実験で明らかにする。本研究により免疫自己寛容破綻の機序を解明し、自己免疫疾患の本質に迫る。