著者
酒井 康夫
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.397-401, 2004-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

ゼライス (株) は先端のバイオテクノロジー技術を駆使して, 国産の豚皮あるいは魚皮コラーゲンを原料としたコラーゲン・トリペプチド (CTP) の開発に成功した. CTPは粧配規および外原規の「加水分解コラーゲン」に該当し, N末端アミノ酸が必ずグリシンとなるトリペプチドを多く含有している. ミクロ・オートラジオグラフィー法により, 平均分子量が約280のトリペプチド成分は, 角質・表皮・真皮層へ効率よく浸透性し, 皮膚の表面と内部との『ダブル保湿効果』を発揮することが示された. さらに, CTP中の有効成分であるトリペプチドはヒト正常線維芽細胞のコラーゲン産生ならびにビアルロン酸産生を促進することが明らかとなった. CTPを含有させたローションは皮膚の弾力性を高め, 荒れた皮膚を改善するなどの優れたスキンケア剤として期待される.