著者
重田 暁彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.312-317, 2016-07-01 (Released:2016-07-01)

知的財産の中でも技術関係の情報が中心となる特許関係の特許庁の審査・審判,更には訴訟に見る最近の動きを把握し,特許調査や発明を捉える際の影響などで考慮すべきことを述べる。特許庁の判断と裁判所の判例には微妙な違いが見られる。特許庁の審査は,ある程度の技術内容の開示があれば,比較的広い範囲での請求項が認められる。しかし,権利解釈などの裁判になると具体的な実施態様に限定される傾向が見られる。特許調査や発明を捉える際の影響を考えると,技術的内容を何処まで細かく,必要十分な範囲または観点で取り組むべきかが重要になる。調査であれば技術用語による全文検索を,発明開示であれば出来得る限りの下位概念をしっかりと実施態様に述べることが求められる。