- 著者
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野嵜 直
- 出版者
- 林業経済学会
- 雑誌
- 林業経済研究 (ISSN:02851598)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.3, pp.9-16, 2001-12-15
- 被引用文献数
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本稿は,1990年代の紙・パルプ産業における生産と資本系列の動態を分析し,環境問題対応や海外進出に関しても検討したものである。1990年代の紙・パルプ産業では,王子製紙や日本製紙といった大資本による各資本の系列化が事実上完了する一方で,バブル崩壊以降のデフレ調整下にあって製品価格が下落を続け,各社の収益は圧迫された。こうした状況に対して各社は,不採算部門の廃棄や,新鋭設備による増産を通じた単位コスト低減といった生産体制の再構築によって対応した。また,各社は海外植林や古紙利用といった環境問題への対応を前面に押し出している。海外植林は1990年代後半にさらに進展したが,他方,海外市場獲得を目指した直接投資は包装材料や特殊紙などの分野に限られている。