- 著者
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高橋 愛典
野木 秀康
酒井 裕規
- 出版者
- 近畿大学商経学会
- 雑誌
- 商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
- 巻号頁・発行日
- vol.63, no.3, pp.77-99, 2017-03-31
[概要]京都府北部の日本海側に位置する丹後半島では,高度成長期以降,過疎化と人口減少が一貫して進行し,様々な政策に影を落としている。2004年に6町が合併して京丹後市が発足したことをきっかけに,公共交通政策の転換が求められた。2006年から実施されている上限200円バスの施策は,バス利用者を倍増させ,自治体による補助の費用対効果を高めている。また近年では,タクシー事業者の撤退に伴い,新たな公共交通機関を導入する必要に迫られているが,その中で地元の非営利組織が運行する「ささえ合い交通」は,日本で初めてウーバー(Uber)が本格導入される事例として注目を集めている。本稿では,京丹後市の道路公共交通政策の背景と展開を概説するとともに,特に上限200円バスとささえ合い交通に焦点を当て,これらの施策の評価を試みる。[Abstract] Tango Peninsula, which is located in the north of Kyoto Prefecture, has been suffering from depopulation and aging of the communities for fifty years. In these ten years, the municipality (Kyotango City Government) has got to reconstruct its policies for road passenger transport, including bus, taxi and demand-responsive transport. The reduction of bus fares to 200 yen and the introduction of Uber system to community transport are the most important features.