著者
井出 文紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.247-276, 2017-12-31

[概要]森下仁丹の創業者森下博は,「毒滅」「仁丹」等のヒット商品により日本の売薬業界を牽引するとともに,その積極的な広告戦略から,「日本の売薬王」「日本の広告王」などと呼ばれた。森下はまた,事業の基本方針に「原料の精選を生命とし,優良品の製造供給 進みては,外貨の獲得を実現し,広告に依る薫化益世を使命とする。」 を掲げ,広告を通じた社会貢献の実践,いわゆる「広告益世」も重視した。本稿では,とりわけ大正初期から京都を皮切りに設置が進められた仁丹の町名表示板に焦点を当て,森下が町名表示板の設置を進めた背景として,大規模な屋外広告への反発と取締があるなかでの「広告益世」の模索と実践,町名表示板の持つ「公益性」に着目した。[Abstract] Hiroshi Morishita, founder of the patent medicine company“ Morishita Jintan”, was called“ the king of Japanese patent medicine” and“ the king of advertising” in the early 20th century. His unique advertising strategy was called“ kokoku-ekisei”,based on his company’s corporate philosophy,“ selection of the best material, delivery of high quality products, acquisition of foreign currency and social contribution through advertisement”. This paper examines his advertising strategy, focusing on the utility of“ Jintan’s address boards”.
著者
靹 大輔
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.257-267, 2011-12-01

[概略] 大学での出席管理に携帯電話を用いる事例は既に複数の大学で報告されているが, 教室外から欠席している学生が出席登録を行う「代返」を防止するため, 手動による工夫が行われている場合も多い。しかし受講生数が増加するとそのような手動による処理は手集計での出席管理と同じく煩雑なものとなるため, 自動で代返を防止する仕組みがあればより効率的な出席管理が行えることは言うまでもない。そこで携帯電話に組み込まれたGPS(Global Positioning System: 全地球測位システム)機能に着目し, 学生の位置情報を取得することで代返の無い精度の高い出席確認を行う事が可能であるか, 調査を行った。本稿では2011年1月に近畿大学内の特定教室から学生に携帯電話の位置情報を送信させたデータを収集し, そのデータを基に携帯電話のGPS測位が屋内において実用的なレベルで行われているかどうかを分析し, 測位情報が不正防止の切り札となりうるかどうか検証および考察を行った。 [Abstract] In university, an opportunity when a roll call administration system using a cell-phone is used increased, but the prevention of the illegal act has many problems. If roll call administration system can use the GPS function of the cell-phone, it is thought that I can prevent injustice. Therefore I really collected data of the GPS and analyzed the precision.
著者
徐 方啓
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.17-31, 2015-07-01

[要約]BYDはもともと1995年深圳 に設立された電池メーカーであったが, 自動車製造の参入で事業を拡大してきた. とりわけ, 自社開発のリン酸鉄リチウム電池をベースにする電気自動車は, 安定性と一回充電で250キロ走れるなどで競合企業より競争優位をもっているため, 2008年ウォーレン・バフェットから出資を受けた. それ以来, BYDの動向は時々マスコミに報道されているが, BYD の競争戦略についての研究はほとんどされなかった. 本稿は, BYD のこれまでの歴史を踏まえた上で, 主に競争戦略を研究して求めたものである. BYDの競争戦略は, 具体的に「コストリーダーシップ」「ハイテク産業の人海戦術」「非特許技術の活用」と「垂直統合」に現れている. ただ, 近年, BYDの売上高は伸びているが, 純利益が減少しているので, このような競争戦略は持続可能かに多少の疑問が残っている. [Abstract]BYD was originally battery manufacturer which was established in 1995 in Shenzhen, but has been expanding its business in the entry of automobile manufacturing. In particular, the electric vehicle that based on self-developed lithium iron phosphate battery, because it has some advantages than competitors in such as the stability, to run 250km in a single charge and so on, Warren Buffett invested HK$1.8billon to BYD in 2008. Since then, although trends of BYD sometimes have been reported in the media, research on competitive strategy of BYD was hardly. This paper was summarized by mainly studied the competitive strategy, on which is based on the history of BYD. The competitive strategy of BYD has appeared in the "Cost leadership", "Human wave tactics of hightech industry," "Using of non-patented technology" and "Vertical integration". However, in recent years, sales of BYD is growing, but since net income is decreasing, there remains some doubt on whether such competitive strategy is sustainable.
著者
峰滝 和典
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.195-219, 2020-09-30

[本旨]2020年5月21日から30日の期間,「新型コロナウィルス」に関する Twitter のツィートデータを取得して,テキストマイニングを行った。その結果,緊急事態宣言の解除がもたらした影響について Twitter のツィートデータ上どのようにとらえられているかが分かった。経済活動の再開に関するツィートが多い一方,後半以降新たな感染者の発生に関するツィートが既に増加していることがわかった。[Abstract] The purpose of this research is to analyze the effects of lifting the state of emergency by collecting data of tweets in Twitter related to COVID_19. The Japanese government lifted it for Osaka, Kyoto and Hyogo on 21 May, for other prefectures on 25 May, 2020. This research was conducted from 21 to 30 May 2020. The results of text mining imply that tweets of the restart of economic activities can be observed through this period, and on other hand tweets which concern the emerge of infected persons by COVID_19 have already increased in the second half of this period.
著者
稲葉 浩幸
出版者
近畿大学
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.149-165, 2003-12-20

本稿では, ファイアマークの図案を分析し, その由来や意図を検証することを目的とする。ファイアマークとは火災保険契約の証として, 被保険者宅に取り付けられたプレートのことであり, わが国では1887年に設立された東京火災のファイアマークが最古のものである。ファイアマークの役割は, 消防組織が消火活動を行う際の目印また保険会社の広告・宣伝という実益的な機能がクローズアップされるが, そのデザインには「水」や「魔除け」といった図案が多用され, 防火の「お守り」としての側面も見られる。こうしたファイアマークの歴史的・文化的価値を評価し, わずかに現存するファイアマークを保存していく必要がある。
著者
安永 拓世
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.185-208, 2012-12-01

[概要]本稿は, 18世紀中期から19世紀にかけて京都や大坂で流行した煎茶趣味が, 芸道としての煎茶道へと変容するプロセスの解明を目的とする。とくに, 大坂を中心に活躍した煎茶道の家元・田中花月庵鶴翁(1782~1848)を題材とし, 当時の文人たちと花月庵との交流関係や, それを記した資料を通して, (1)日本に煎茶を広めた売茶翁(1675~1763)という人物が神格化され, 彼に結びつく花月庵が権威付けられて作り上げられていく言説。 (2)その言説に寄り添うかたちで付加価値がつけられる煎茶道具。 (3)新興の芸道である煎茶道が, 既存の芸道である茶の湯から受けた影響。 という主に三つの視点から考察をおこない, 家元が作られていく過程に迫る。 [Abstract]The purpose of this paper is to solve the process in which the "Sencha Tea" hobby , that was in fashion by Kyoto and Osaka from the middle of the 18th century to the 19th century , changes into the "Sencha Tea" ceremony . Here, I deal with Tanaka Kagetuan Kakuo(1782-1848) who became the head family of the "Sencha Tea" ceremony in Osaka.C)Baisao(1675-1763) was deified, the head family was connected to him, and the statement was made. ©The tools of "Sencha Tea" with which added value was given based on that statement. C The "Sencha Tea" ceremony was affected from the "Cha-no-yu" tea ceremony . From these three viewpoints I approache the process in which the head family was made.
著者
徐 方啓
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.363-385, 2012-12-01

[要約] 華為技術(以下, ファーウェイという)は1987年任正非によって創設された会社である。 設立当初の資本金は21000万元しかなかった。 香港から電話交換機を輸入して中国内陸の県に販売することから, ビジネスの道を辿りはじめた。 しかし, 24年後の2011年度, ファーウェイは2309億元の売り上げをもって中国一のICTメーカーになった。 非上場企業のため, その会社の実態はほとんど知られていない。 そのため, 筆者はこのことを意識して, ファーウェイの競争戦略を「農村から都市を攻める」「新興国から先進国を攻める」に絞って考察した上で, その成功要因を4つまとめている。 すなわち, (1)毛沢東軍事思想の活用, (2)技術立社, (3)世界の強豪との提携, (4)高品質, 低価格と良いサービス, である。 さらに, なぜファーウェイは時々外国政府に市場から追い出されるかについて, その原因を独自の視点で分析した。 [Abstract] Huawei Technologies (hereafter Huawei) was founded by Reng Zhengfei in 1987. He only raised RMB21, 000 as capital for the small enterprise and started their business that imported PBX's (Private Branch eXchanges) from Hong Kong and resold them. But the enterprise became the number one ICT maker in China with its sales and operating revenue of RMB203.9 billion. However, Huawei's actual condition little is known, because it is an unlisted company. Therefore, the author was discussed the competitive strategies of to attack the city from rural and to attack from emerging to developed countries, and summarized its success factors. These are, (1)the use of Mao Zedong's military thought; (2)technology-driven company; (3)partnership with the world' s powerhouses; (4)high quality, low price and good service. In addition, the author answered the question, "Why the company sometimes was cast out from foreign governments?" with original perspective.
著者
谷口 靖弘
出版者
近畿大学
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.205-219, 2007-03-31

1997年3月,大阪市西区千代崎に完成した「大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)」への来訪客を,「ドーム城下町」といえる大阪市西区九条商店街地域へ誘客することを目的にスタートしたのが,町おこしイベント「大阪・九条下町ツアー」であり,交通機関等を使用しない2時間余りの「ウォーキングツアー」である。当初から商店街等からは資金援助を受けずに,観光研究のフィールドワークとして主宰する筆者や地元有志が「町おこし市民運動」として立ち上げたものだ。97年4月,「九条下町ツアー」と銘打って参加者を一般募集したところ,大阪市内では珍しい町おこしツアーとして新聞・テレビ等マスコミで報道されたこともあり,30人の定員はすぐに満員となった。現在,ツアーは春と秋を中心に実施され,全国各地から修学旅行生も訪れるようになった。我々が実施している「大阪・九条下町ツアー」の対象地域である「九条地域商店街」は一般にいう「観光地」ではない。しかし,このような地域にも「観光地域活性化の5条件」が内在し,地域活性化を引き起こす潜在要素を見出すことが可能である。10年間余り催行されている「大阪・九条下町ツアー」の内容を述べる過程でこのことを実証する。併せて,ツアー参加者に対するアンケート調査の分析と旅行業法上の問題点などを考察した。
著者
桂 眞一 石 金霞
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-18, 2018-07-31

[要旨]本稿では,アノマリーとしてのバリュー株効果,小型株効果,ボラティリティー効果について日本と中国の株式市場における実証検証を試みた。実証検証の結果,日本市場と中国市場の双方で,PBR, PER, 配当利回りに関して,強いバリュー株効果が検出された。また,サイズに関しても強い小型株効果が検出された。ボラティリティー効果に関しては,日本市場では低ボラティリティー株が優位であり,逆に,中国市場では高ボラティリティー株が優位な結果が検出された。[Abstract]In this paper, we attempted to verify the value investing effect, the smallcap effect, the volatility effect as an anomaly in the Japanese and Chinese stock markets. As a result of the verification test, a strong value investing effect was detected with respect to PBR, PER and dividend yield in both the Japanese market and the Chinese market. Also, regarding the size, a strong small-cap effect was detected.Regarding the volatility effect, low volatility stocks dominated in the Japanese market, and on the contrary, high-volatility stocks dominated in the Chinese market.
著者
松山 一紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.83-106, 2013-09-01

[概要] 組織にとって, 従業員の組織に対する帰属意識は重要な管理項目のうちの一つである。 そこで, 本稿では, モラールや忠誠心などの類似概念を検討することによって, 組織に対する帰属意識について考える。 日本における帰属意識研究は組織コミットメント概念の登場により, 劇的に進んだが, 日本人労働者の帰属意識を明らかにするためには, 忠誠心について理解することが必要であることを論じる。[Abstract ] The employee's sense of belonging to the organization is one of the important control points for the company. The purpose of this paper is, therefore, to explore the sense of belonging to the organization by a review of similar concepts like "morale" and "loyalty." Appearance of the concept of organizational commitment has led a large step forward in the study of a sense of belonging in Japan. To clarify the Japanese employee's sense of belonging, however, requires a deep understanding of the loyalty.
著者
髙橋 愛典
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.131-153, 2022-03-31

[概要]紀要とは,本稿が掲載されている『商経学叢』を含め,「大学や部局,研究機関,学内学会等が刊行する学術雑誌全般」を指す。多くの紀要では査読制が導入されていないこともあり,学協会誌や英文学術雑誌と比較して,掲載される論文等の水準が低いとみなされ,様々な批判を受けてきた。また,日本で発行される紀要は全部で約4,000種類に及ぶとされ,図書館等での保管・管理上の問題も引き起こしてきた。一方で紀要は近年,オープンアクセスの進展等に伴って学術コミュニケーションの促進に資する側面が明確になってきた。本稿は,紀要の「味方」という視点から,紀要のメリットを伸長させデメリットを克服する方策を,大学・部局といった教員組織における研究活動の促進をも視野に入れて検討する。[Abstract] Kiyo, or departmental research bulletins, have long been published by Japanese universities. About 4,000 series of the bulletins are supposed to be published every year in Japan. The papers in the bulletins are mostly non-refereed, but the bulletins represent the unique features of Japanese universities, mainly in their faculties of humanities and social sciences. This paper examines the pros and cons of the bulletins, for the sake of the promotion of academic communication, including readers and researchers outside the universities.
著者
山下 京 向井 有理子
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.305-320, 2017-12-31

[要旨]この研究の目的は,非正規従業員を仕事への積極性や働き方の志向性という観点から分類・類型化し,各類型に応じた雇用環境と効果的なマネジメントのあり方を検討することである。業種や職種の異なる複数の組織に質問紙調査を実施し,得られたデータ6,237件を基に因子分析を行い,6因子を抽出した。これらの因子は,「仕事に対する積極性」と「組織や会社からの拘束の拒否」「正社員志向」という3つの側面に集約しうることが示唆された。各々の側面に相当する(含まれる)項目の評定値の高低から類型化を試みた結果,正社員希望型,正社員回避型,フリーター型,社会参加型などと命名される10類型が見いだされた。[Abstract] This study purports to categorize irregular employees in terms of willingness to work and intention in work style and to consider a suitable employment environment and effective management approach depending on work types. Subjects at multiple organizations in different businesses were requested to complete a questionnaire.Based on data extracted from 6,237 responses, a factor analysis showed six factors. The finding suggested that the six factors could be categorized into three aspects as follows: “activeness towards work”, “rejection of constraints of organization and work”and“intention of regular employment”. Categorization with respect to differences in evaluation values of survey items corresponding to the said three aspects found 10 types including“aspiration for regular employment”,“ avoidance of regular employment”,“precedence to personal life”and“social participation”
著者
津田 博
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
no.169, pp.249-259, 2013-12
著者
玉置 了
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.41-59, 2007-07

【概要】我々は自らのアイデンティティを形成することを求めて消費を行うことがある。 我々の消費によるアイデンティティは, 消費による自己イメージの構築と消費者間の自己・他者との相互作用によって形成される。 本稿では, 第1に今日の消費者はこうした2つの行動をオンライン・コミュニティで行うことでアイデンティティ形成を実現するということを明らかにする。 次に, オンライン・コミュニティにおける消費者のアイデンティティ形成には, 単にアイデンティティ形成という自己志向の意識だけではなく, 他の消費者との情報交換関係にとどまらない心的交流をもつ関係性という意識が伴うということを明らかにする。 【Abstract】The author focuses on the act of consumer's identity formation. An individual forms his consumption identity by means of building his self-image and interaction process with himself or others. This paper analyzes consumer's Identity formation process in online Community. First, We clarify consumer's identity formation through these two behavior online Community. Second, Consumer's identity formation in online community contains not only self-oriented mind such as identity formation but other-oriented minds and relationship with other consumer.
著者
杉本 徹雄
出版者
近畿大学
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.171-180, 2008-03

消費者の購買行動は多かれ少なかれ反復的である。購買行動の反復性を理解することは,マーケティング戦略を立案するうえで非常に重要である。わが国の非耐久消費財の市場において新製品の投入数は増加する一方である。しかしながら,消費者は新製品を試しに買ってみようとするものの,その後に,同じブランドの反復的な購入がなされにくくなっている。本研究では,Nicosia(1966)のモデルをはじめとする行動科学的な消費者意思決定モデルにおいて,反復購買の心理的メカニズムが理論的にどのように扱われてきたかについて文献的に考察する。
著者
武知 京三
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Kinki University journal of business and economics (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.13-48, 1994-07-20

"はじめに1. 伊勢鉄道(伊勢電鉄)の成立過程2. 大軌・参急資本の宇治山田進出と伊勢電鉄の対抗3. 四日市銀行の休業と主要投資先伊勢電鉄の混乱(以上前々号)4. 伊勢電鉄の整理と大軌・参急資本による名古屋進出(以上前号)5. 戦時交通統制と大軌・参急資本の動向おわりに"
著者
李 兌賢
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2・3, pp.83-104, 2014-03-01

(概要)グローバル市場では後発メーカーであったサムスン電子が,エレクトロニクス産業で急速にシェアを拡大してきた。リスクの高い新興国をはじめ多くの国で,消費者のニーズを把握し,それぞれの市場ニーズに合ったマーケティング戦略を可能にした要因として,「地域専門家」制度の存在がある。本稿では,サムスン電子の国際競争力の源泉を,グローバル人材戦略の側面から考察する。(Abstract) In the global market, Samsung Electronics is a late departure maker, but has extended its market share in electronic industry rapidly. The existence of the "Regional specialist" system grasped the needs of consumers in many countries including a high-risk rising nations. And Samsung Electronics' marketing strategy met the need in every market.In this report, I focus on the side of the talented person strategy and consider the factors that have brought international competitiveness of Samsung Electronics.
著者
勝田 英紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.71-92, 2019-03-23

[要旨]海外における日本酒の認識度の高まりに反して,日本国内での日本酒の人気は依然として下がっている。日本国内の認識において,日本酒は国内のみで生産・消費される安物の酒と考えている日本人が多い。特に若い女性は,ワイン特にシャンパンが良い酒で,日本酒はまずい安物の酒であると考える舶来信仰の人が非常に多い。海外では高い評価を受け始めている日本酒が,日本で評価されていないことから,日本酒とは何かを見直し,なぜ日本酒には魅力がないのかを検証することが本稿の研究目的である。結果として,日本酒が,国内で魅力がないのは PR 不足であり,今後国内および海外に日本酒の良さを PR し続けることが大切であると考える。[Abstract] Contrary to an increasing awareness of sake, a Japanese rice wine, outside Japan, it continues to lose popularity in Japan. Surprisingly, many Japanese people consider sake to be a local and cheap alcoholic drink that is produced and consumed only in Japan. In particular, so many young women strongly believe in imported products; they deem wine-especially champagne-to be a good drink, while considering sake to be a poor and cheap drink. While enjoying a fair reputation among people outside Japan, sake is not valued in its home country, Japan. The study purpose in this paper is to review what sake is and examine whether sake has any appeal as liquor. The study results suggest that sake’s failure to gain popularity in Japan is due to the lack of publicity activities. It is important to continue to showcase the charm of sake to people both inside and outside Japan.