著者
野村 芳男 長野 健大郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.332, pp.9-16, 1999-09-25
被引用文献数
1

本論文は円周率πの小数位第1∼10000桁で創る2元幾何乱数列に関するものである.πの小数位整数の一様性に着目し,10進整数のうちm個を符号"0",(10-m)個を符号"1"へ対応させて2元ビット列を創り,符号"0"の理論生起確率をp=1/m,符号"1"のそれをq=(1-p)と見て生成ビット列(10000ビット)を幾何乱数性の観点から検討している.検討要因は(1)符号"0","1"の生起桁間隔数と連鎖個数の出現総数を解析的に求め,これと実出現総数と比較すること,(2)生起桁間隔数と連鎖個数の出現頻度分布の幾何級数性をχ^2帰無仮説検定によって評価すること等である.これらの検討結果から,この生成手法でも優れた2元真性乱数列および2元幾何乱数列が創れること等を述べている.