著者
野瀬 光弘
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
巻号頁・発行日
no.70, pp.69-76, 1998 (Released:2011-03-05)
著者
野瀬 光弘
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
雑誌
森林研究 = Forest research, Kyoto (ISSN:13444174)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.69-76, 1998-12-28

バーク堆肥生産拡大の要因と現状を明らかにするために、文献調査、バーク堆肥生産業者への聞き取り調査を行った。元来特用林産物だったバークは、大量に発生することにより多くが廃棄物となった。処分に困ったパルプ・チップ工場、製材工場は別会社を設立してバークを原料に堆肥の生産を開始した。バーク堆肥は比較的良質な国産広葉樹、外材針葉樹バークを原料に主として農業用に生産されていたが、その後緑化に利用されるようになって需要が拡大した。バークは、規模の大きい製材工場、パルプ・チップ工場から発生する外材針葉樹と国産広葉樹のものが多く、国産針葉樹のものはほとんど使われていない。バークに混ぜる発酵資材は、主として安価な鶏ふんが使われていたが、次第に食品汚泥を使うようになってきている。製品は緑化用と農業用が多いが、業者は公共事業の頭打ちから園芸用を増やしており、需要拡大に様々な対応をしながら生産を拡大し、現在に至っている。