著者
金光 禎寛
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.10, pp.2124-2131, 2020-10-10 (Released:2021-10-10)
参考文献数
12

咳は,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)の食道外症状の1つである.本邦でのGERDの有病率の増加に伴い,GERD咳嗽も増加傾向で,慢性咳嗽の原因として,咳喘息と共に頻度が高い.一方で,胸やけ等の典型的な食道症状を伴わないことも多く,咳の罹病期間が長期に及び,生活の質を低下させる.診断に難渋することも多いが,Fスケール等の質問票の活用やPPIに加えて消化管運動機能改善薬の併用がGERD咳嗽の診断・治療に対して有用な可能性を述べる.