著者
金武 由利子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.117-129, 2007

食生活の多様化に呼応するように,飲料に関わる習慣にも変化が見られる。清涼飲料のうち緑茶の選択に対しては,その機能性などに消費者の強い関心と嗜好が見られる。そこで,女子大学生の茶類に対する嗜好,習慣に対して質問紙調査を行った。その結果,清涼飲料としての茶類への嗜好は高く,清涼飲料の中でも多く選択されていた。茶類の選択に対しては,味が好まれることが寄与していると伺われた。また,抹茶に対する認知は高いものの,薄茶・濃茶は日常の中に無く,薄茶の喫茶の経験者は多くはない結果となった。しかし,薄茶に対しては概ね好まれる傾向にあり,茶道の経験など,より多くの喫茶の機会を持つことで,茶に対して味覚の感受性が高くなることが示唆された。今後,茶の機能性を十分に享受するためには,煎茶としての抽出液の利用から,抹茶として茶葉そのものの利用に対しても嗜好性が高まる可能性が伺われた。