著者
金田 仁孝
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.46-51, 2020 (Released:2020-03-31)

薬学教育6年制がスタートして10年以上が経過し、教育内容もより臨床に即した内容になってきている。 一方薬局の現場では依然として処方せん調剤を中心とした業務が続いており、6 年制のカリキュラムを習得した薬剤師がその知識・技術を十分発揮できているとはいいがたい現状がある。 薬局の本来の根幹業務でもある、症状を訴えて来局する地域住民に対する店頭相談に対応するため、最近では「臨床判断」のワークショップも多く開催されているが、いざ受診勧奨となった時に、どの医療機関のどの医師にどのような紹介状を書いて、どう紹介するかについては、まだまだ試行錯誤が続けられている段階である。 地域住民に一番近い医療の専門家として薬局薬剤師が行う責任ある受診勧奨とは何かを探るため、薬局からの実際の紹介状を交え、ケーススタディをもとに受診勧奨とその後のフォローアップを考える。