著者
金田 喜弘
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.85-97, 2018-03-31

社会福祉士及び介護福祉士法が施行され30年が経ち、社会福祉専門職のひとつである社会福祉士が多くの福祉現場で実践を展開している。国の政策動向においても、社会福祉士への期待は大きい一方で、養成校の減少や福祉離れが深刻化している。本研究では社会福祉学部の学生が社会福祉専門職を目指すキャリア選択と、社会福祉士実習やその他の福祉教育との関連性について明らかにすることを目的に、複線経路・等至性モデル(TEM)を用いて分析を試みた。分析の結果、「社会福祉実習に臨むことを決断(第1期)」、「社会福祉実習を通した学び(第2期)」、「ソーシャルワーカーとして働くことを選択(第3期)」の3つの時期区分で推移していることがわかった。社会福祉専門職を目指すための福祉教育の展開プロセスとして、(1)社会福祉実習の重要性、(2)地域福祉フィールドワークや福祉現場インターンシップなどの社会福祉実習以外の補完的な取り組み、(3)ソーシャルワークイメージの明確化の3点が重要であることが明らかとなった。TEM福祉教育社会福祉専門職